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請求書とは~請求書が必要な意味~
そもそもどうして請求書が必要なのでしょうか?見積もりは出しているし、金額も変わらないのに……と思う方もいるかもしれません。向こうの方が事務関係のノウハウは上なのだから、と相手に任せたくなる気持ちも分かります。
しかし、それではいけません!あなたが仕事をした分は、責任を持って自分で管理しましょう!それができてこそのフリーランスですし、相手に任せきりでは自分に不都合な内容になってしまう恐れもあります。
請求書とは、いわばあなたが働いた証と仕事の成果を示すものです。要するに、「私はこれだけの仕事をしました。仕事に見合う報酬を払ってくださいね」とお金を受け取るための意思表示をするツールだと言えます。
たとえば、相手の会社が悪徳業者で報酬を支払わなかったとしましょう。その場合、あなたが請求をしていなかったら法律では支払い義務がないとみなされることもあります。そのため、あなた自身が請求書を作成することに重要な意味があるのです。
請求書を作るうえで押さえておくべき基本事項
請求書の作り方を説明する前に確認すべきこと、やっておくべきことをご紹介します。個人事業主うんぬんの前に、社会人として必要なマナーとスキルです。再度、確認しておきましょう。
①提出期限
先ほど説明した通り、請求書とは報酬(会社員で言うお給料)をもらうための書類です。期限は必ず守りましょう。たとえば、月末締めで翌月5日必着だとします。その場合、5日の営業時間帯には請求書が相手に届いていないといけません。企業や契約内容によっては「締め日から3営業日以内」などと指示されることもあります。
念のため記載しておきますが、営業日とは相手が仕事をしている日のことです。土日休みの会社であれば土日は含まれません。金曜日が締め日だった場合、翌週の水曜日が期限になります。
期限を過ぎてしまうと支払いが丸々一か月遅れてしまうので、期限に余裕を持って提出するようにしましょう。
②領収書を仕分けしてまとめる
フリーランスである以上、領収書を発行してもらう機会は多いと思います。この領収書はただ溜め込むのではなく、きちんと仕分けしておきましょう。あなた個人の領収書と、取引先の立て替え分は必ず分けてください。おせっかいかもしれませんが、立て替えた分の領収書は、必ず取引先の名前を宛て名に書いてもらってくださいね。
もし、但し書きが「お品代」など明瞭でない場合は、何を購入したのかを記載した付箋を貼っておくと後で困りません。
請求書作成マニュアル~作成時に気をつけること~
それではいよいよ、請求書の作成について見ていきましょう!請求書を作るうえで注意すべきことを8つまとめました。せっかく請求書を送っても、内容不備で戻されるケースが少なくありません。そのようなことがないように、ここでしっかり確認してください。
①宛て先
取引先の会社名、部署名、担当者名などを記入します。このとき、会社名だけなら敬称は「御中」、後に担当者名(個人の名前)が続くのであれば御中はいりません。「様」だけつけましょう。また、稀に依頼者とは異なる宛て先を指定されることもあります。最初に必ず確認しておきましょう。
②発行日
請求書の発行日は作成日でも構いませんが、基本的には取引先の締め日を記載します。締め日が分からない場合は、相手に会計上の締め日を聞きましょう。
③支払日
請求書の支払期限は、取引先との合意が取れれば自由に設定して構いません。ただし、下記の引用通り、支払期限は仕事が完了した日(納品日)から60日以内でなければならないと法律で定められています。よって、通常は月末締めで翌月末、もしくは翌々月末に支払うことが多いので、お互いが支払期日を定めるうえでの一種の目安にしてください。
また、年末年始や土日は金融機関が休みなので、その前後に支払期限をずらしましょう。支払期限が土日に重なるときは直前の平日に支払う、年末年始は翌月5日に支払う、といったようにあらかじめ相手と決めておくとスムーズです。
(下請代金の支払期日)
第二条の二 下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。次項において同じ。)から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。
2 下請代金の支払期日が定められなかつたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日が、前項の規定に違反して下請代金の支払期日が定められたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して六十日を経過した日の前日が下請代金の支払期日と定められたものとみなす。
引用元:電子政府の総合窓口e-Gov「下請代金支払遅延等防止法」
④請求内容
商品名やサービス名、数量、金額を記載します。取引先によっては書き方を指定される場合があるので確認しましょう。また、立替経費を申請する場合も、ここに記載します。領収書と照らし合わせて確認が取れるように、基本的には但し書きと同様に書いてください。立替経費の場合は消費税込みで記載し、最後の課税計算には含めないように注意しましょう。
⑤消費税
内訳に消費税の金額を明記します。通常の税率10%の品目と軽減税率の対象となる品目の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。8%の課税品目には※印などをつけて注記しておくと分かりやすくて良いです。
⑥振込先
銀行名、支店名、口座の種類、口座名、口座番号を正確に記載します。特に「普通」、「当座」のチェックミスや口座番号の記入間違いが多いので注意です。なお、口座名義人はカタカナで記載しましょう。また、振込手数料を負担してもらう場合は、その旨を記載します。
⑦備考
支払い期日の変更や分割払いなど、取り決め外の要望等があるとき、または請求内容に関して補足するときなど、特筆すべきことがあれば記載してください。
⑧請求書番号
必ずしも記載しなければならないというわけではありませんが、後で確認作業をするときのためにも、通し番号を右上に記載しておくと便利です。
これらを踏まえたうえで、請求書を作成してください!
とはいえ……あまりパソコンを使わない人や、請求書作りが初めての人が一から作るのはとても大変ですよね。
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請求書一つであなたの今後が変わるかも……!?
なぜ請求書を作るのか、どのようなことに気をつけて作成すれば良いのかという、請求書についての理解は深まったでしょうか?一企業で雇われて働くよりも、フリーランスとして活動する方が、グッと責任は大きくなります。こういう一つひとつのことを大切に、そして確実に行いましょう。それがあなたの今後を左右するかもしれません。
どんなに素晴らしい成果を上げていたとしても、請求書の提出期限が守れなかったり、見るに堪えないような不備だらけの請求書を作ったりするような人には、仕事を任せるのも不安ですよね。些細なことと思うかもしれませんが、こういった細かいところに人間性が表れてきます。そして請求書はあなたがお金を得るために必要なものでもありますから、ミスのないよう丁寧に記載しましょう。
もし、請求書に関するご不明点等があればお気軽にお問い合わせください。また、現在悩んでいることや、こんなコラムを書いてほしいなどのご相談・ご要望も受け付け中です!