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料理 管理栄養士

効率よく作業をするために必要な集中力を高める食べ物を徹底解説!

集中力を上げる方法はいろいろありますが、食べ物でも集中力アップができることをご存じですか?私たちの身体は食べ物や飲み物をもとに出来ているので、口にするもの次第で健康や能力にも影響してくるのです。その中でも今回は集中力に焦点を当てて、効果的な食べ物・飲み物を栄養学の観点からご紹介していきます。仕事や勉強に集中したい時の食事や間食におすすめなので、上手く食生活に取り入れてください。

管理栄養士おすすめ!脳の働きを助ける食品7選

それでは早速、集中力アップに効果的な食品を見ていきましょう。それぞれに含まれる栄養成分やその効果についてご説明していきます。今回は食べ物を5つ、飲み物を2つピックアップしました。どれもコンビニやスーパーなどで手に入れられるものばかりです。日持ちするものも多いので、常にストックしておくと良いかもしれません。

ラムネ

ラムネの主成分であるブドウ糖は、脳の主なエネルギー源です。寝ている間も、身体はエネルギーを消費するので、ブドウ糖は脳の機能維持に欠かせません。脳だけで一日に消費するエネルギーの約18%ものブドウ糖を消費しています。それだけ脳にとってブドウ糖が大切だということです。

ブドウ糖には脳が正常に活動するためだけでなく、集中力や記憶力を高める働きもあります。「仕事や勉強で頭を使った時に甘いものを食べると良い」、「朝ごはんはしっかり食べるべき」といわれているのはこのためです。

ただし、一度にたくさん食べると体内の血糖値が急上昇と急降下を繰り返し、眠くなったり頭がぼーっとしたりしてしまいます。たくさん摂取すればそれだけ脳が活性化するというわけではありません。むしろ、脳の機能を低下させてしまいます。そのため、ブドウ糖を含む糖質の過剰摂取には注意が必要です。食べ過ぎには気をつけましょう。

乾物(ドライ食品)

噛むことで脳が活性化するということをご存じですか?

よく噛むほど脳の働きが活発になり、それによって集中力が向上するということが最近の研究で明らかになりました。そのため、何かを食べる時は柔らかいものよりも噛みごたえがあるものを選ぶと良いでしょう。中でも乾物は水分が飛ばされているので、何度も噛まなければ食べることができません。特に、皮付きさきいかやスルメなどはかなり噛みごたえがあるので集中したい時におすすめです。

何かを噛むことが大事なのでガムでも構わないのですが、含まれる栄養素や成分を考えると、やはり自然食品の方が良いと思います。ガムには多くの添加物が入っており、特に人工甘味料のアスパルテームについては人体への有害性が認められているからです。アスパルテームによって頭痛や記憶喪失、抑うつなどが引き起こされることが分かっています。添加物が入ったものは美味しく保存もききますが、身体への影響を考えるとなるべく無添加食品を選びたいですね。

参考:国立医学図書館 国立バイオテクノロジー情報センター「人間の認知処理に対する咀嚼の影響:事象関連電位を使用した研究」英文サイト)
参考:J-GLOBAL「アスパルテーム使用における神経伝達物質相互作用に関する議論【JST・京大機械翻訳】」

 

卵黄に含まれるレシチンには、脳の機能を高める効果があり、集中力だけでなく記憶力向上にも影響しています。レシチンは大豆にも豊富に含まれていますが、卵黄レシチンと大豆レシチンにはそれぞれ特徴があり、体内での役割も異なります。

大豆レシチンは乳化作用(水と油を分離させずに混ぜる働き)によって、血液中の老廃物や血管に付着した油脂を溶かすのが特徴です。動脈硬化や脳卒中、高コレステロール血症や心臓病などを予防する効果があります。

一方、卵黄レシチンは大豆レシチンよりもホスファチジルコリンが多く含まれています。これは脳や神経を構成する材料となる成分です。また、集中や思考、記憶に作用する神経伝達物質(脳内ホルモン)の一つ、アセチルコリンを作る材料でもあります。このような違いがあるため、卵黄レシチンの方が脳機能に働きかける効果が高いのです。

卵はあまり手をかけなくても美味しく食べられます。しかも、さまざまな食材との相性も良いので、普段から積極的に食べると良いですね。

ナッツ類

ピーナッツやカシューナッツ、アーモンドなどのナッツ類にはチロシンという成分が含まれています。チロシンはやる気や集中力を引き出す神経伝達物質の一つ、ドーパミンの材料となる成分です。それだけでなく、成長や代謝を促す甲状腺ホルモンの材料にもなります。甲状腺ホルモンが不足すると代謝が正常に機能しなくなり、集中力の低下を招いてしまうので、不足することのないよう食べ物からも意識して摂取したいですね。

ナッツ類なら小腹が空いた時の間食として、作業しながらでも手軽に食べられます。また、ビタミンやミネラル、食物繊維などの日本人に不足しがちな栄養素をバランスよく含んでいるので、健康的な生活を保つのにも役立ちます。

青魚

一昔前に流行った『おさかな天国』という歌では「魚を食べると頭が良くなる」と歌われています。印象的なメロディなので聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これはただキャッチ-なだけでなく、科学的事実に基づいた歌詞です!

脳は部位ごとにさまざまな働きを持っていますが、その中の前頭前野というところが集中力を司っています。しかし、加齢やストレスによって前頭前野の機能は低下してしまうのです。すると、集中どころかやる気がなくなって、物事に無関心になってしまいます。

そこで活躍するのが、青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です!どちらも体内で生成することが難しく、食べ物から摂取しなければならない必須脂肪酸で、生きていくうえで欠かせません。特にDHAは脳の機能維持に効果があり、集中力を持続させるだけでなく、記憶力向上やストレス緩和などに役立つものです。

医療現場でも活用されており、認知症の予防や改善にも効果があります。EPAやDHAには血液をサラサラにしたり、中性脂肪を減らしたりする健康効果もあるので、普段から積極的に摂取したいですね。ちなみにEPAは体内でDHAに変換されることもあります。

これらの栄養素が特に含まれているのは魚の油。調理する時は煮魚や汁物の具にするなど、丸ごと食べられるように工夫するのがおすすめです。

コーヒー

眠い時や頭をシャキッとさせたい時にコーヒーを飲むという方は多いのではないでしょうか。実際、コーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用があるということは広く知られていますよね。この覚醒作用によって集中力を高めたり、自律神経の働きを促したりすることができます。カフェインはコーヒーに限らず、緑茶や紅茶、エナジードリンクなど、飲み物を中心とした多くの食品に含まれるものです。

カフェインには摂取上限量が設けられていますが、食べ物や飲み物の組み合わせによっては気がつかないうちに上限量を超えてしまうこともあり得ます。カフェインを過剰摂取した場合、めまいや震え、吐き気、下痢などの健康被害を起こす恐れがあり、集中どころではありません。

カフェインの摂取上限量は年齢や妊娠の有無などによって異なります。日本には明確な基準がないものの、世界中の機関で定められた上限量をまとめたデータを食品安全委員会が発表しています。詳しくは下記の関連リンク先の7ページをご参照ください。

参考:食品安全委員会「食品中のカフェイン」(pdf)

ココア

ココアの原料、カカオに含まれるテオブロミン。この成分には知覚や思考、記憶に関わる大脳皮質を刺激して集中力や記憶力を高める効果があります。また、テオブロミンやカカオポリフェノールには血流を良くする効果もあるため、脳の血流量が増えて脳機能が活発になることも明らかになっています。それ以外にも動脈硬化を抑制したり、冷えやむくみを解消したりと、嬉しい健康効果が満載です。ココアは昔、薬として使われていたこともあるそうですが、それも納得できますね。

ただし、市販のミルクココアには糖分や乳成分が含まれているので、カロリーも糖質も高めです。ミルクココアを飲みすぎると、かえって肥満や血糖値上昇の原因を作りかねません。健康のためには糖分が入っていない純ココアを飲むのが良いでしょう。甘い味がお好きな方は、ハチミツやマシュマロを入れるのがおすすめです。

まとめ

今回は集中力アップに効果的な食べ物・飲み物についてご紹介しました。中には意外な食べ物も含まれていたのではないでしょうか。また、身近な食品が持つ栄養素の知られざる効果に驚いた方もいるかもしれません。私たちが日常的に口にしている食品にはさまざまな成分が含まれています。それらは身体の中で多方面に働き、私たちの生活を支えているのです。これを機に、毎日の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

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