アスリートたるもの、筋肉の鍛錬は必要不可欠。そのためには日々の食事も大切です。練習効果を最大限に引き上げるためにも、食習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
このコラムでは、サッカーに必要な筋肉や栄養素、そしておすすめの食事メニューをご紹介します。
目次
サッカーで使う筋肉とは
サッカー選手はさまざまなスポーツアスリートの中でも線が細めの印象がありますが、持ち味である瞬発力やスピードを伸ばすには、必要な部位を鍛えて筋肉を付けることが欠かせません。サッカーのプレーにおいて特に重要とされる筋肉は以下の通りです。
上半身:広背筋、大胸筋、腹直筋
サッカーは激しい動きの連続です。急な方向転換をする時や、相手に身体をぶつけるコンタクトプレーでも軸をぶらすことなく安定させるには、体幹を鍛える必要があります。体幹とは胴部分の筋肉のことです。インナーマッスルと勘違いされることが多いですが、胸や背中、肩、腹の筋肉を指します。
下半身:大腿四頭筋、大臀筋、下腿三頭筋
脚力はサッカー選手に欠かせない重要な要素です。素早く敵陣へ切り込んだり、自陣の守りを固めたりするのに必要な敏捷性と瞬発力。狙ったところへボールを飛ばせるだけのパワーとコントロール。いずれも下半身の筋肉が大きく影響します。
筋肉が栄養を吸収しやすいゴールデンタイム
アスリートにとっての筋肉とは、試合を勝ち抜くための武器に他なりません。銃や刀などの武器にこまめな手入れが必要なように、筋肉の場合もコツコツ鍛え、時には休めて、万全のコンディションに整えることが大切です。そのためには、筋肉の素となる栄養を効率よく吸収できるよう食事にも気を配る必要があります。
何を食べるかも大切ですが、いつ食べるかも重要です。ゴールデンタイムという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
スポーツ業界で使われているゴールデンタイムとは、たんぱく質の同化作用が最大限に発揮される時間帯のことです。つまり、運動で減ったエネルギーを補給し、筋肉を成長させるのに効果的な時間帯ということ!
運動後24時間経っても効果は持続しますが、最も同化作用が働くのは運動直後です。一般的には30~45分以内といわれています。このゴールデンタイムの間にたんぱく質を豊富に含む食事を取ることによって、サッカーに必要な筋肉を効率よく増強することができるのです。
筋肉の素になる栄養素「たんぱく質」
私たちの身体の約20%は、たんぱく質からできています。皮膚や髪などはもちろん、筋肉の形成にも欠かせません。人間の体内にはなんと10万種類ものたんぱく質が存在しており、それぞれのたんぱく質は身体のあちこちで幅広く活躍しています。
筋肉の材料になるのは、アクチンやミオシンなどの筋原線維たんぱく質です。これらは主に肉類に多く含まれています。鶏肉を食べるアスリートは多いですが、これには筋原線維たんぱく質を摂りやすいからという、きちんとした理由があるのです。
だからといって、たんぱく質に偏った食事をしてはいけません。肉類は飽和脂肪酸やコレステロールの数値が高いので、過剰摂取してしまうと動脈硬化や心疾患、糖尿病などの生活習慣病のリスクが増大します。
また、過剰なたんぱく質は分解されて腎臓に運ばれるため、腎機能の低下を招く恐れもあるのです。腎臓は老廃物を排泄する重要な臓器。腎機能が低下することによって体内に老廃物が溜まり、疲れやすくなったり、むくみやすくなったりします。トレーニング同様、食事もバランスを考えて取ることが大切です。
サッカー選手におすすめの食事メニュー
必要な筋肉を適切に鍛えるためには、食事による身体づくりが必要です。そこで、サッカーをしている方に食べてほしい栄養満点メニューを3つご紹介。運動後のゴールデンタイムにぴったりの補食もあるので、ぜひ献立の参考にしてください。
ささみのガーリック醤油ソテー
【材料】1人分
・ささみ…2本
・にんにく…1片
・大葉(シソ)…1枚
・醤油…大さじ1/2
・酒…大さじ1
・ごま油…適量
【作り方】
①にんにくは薄くスライス、大葉は細切り、ささみはひと口大にカットします。
②ごま油を熱したフライパンにスライスしたにんにくを炒め、ささみを入れます。
③ささみに火が通ったら、醤油と酒を入れてよく絡めます。
④最後に大葉を入れてサッと炒めたら出来上がりです。
カツオの照り焼き
【材料】1人分
・カツオ…100g
・チューブ生姜…1cm
・酒…大さじ1/2
・醤油…大さじ1/2
・みりん…大さじ1/2
・油…適量
【作り方】
①フライパンに油を熱してカツオを焼きます。
②カツオの両面に焼き色が付いたら、チューブ生姜、酒、醤油、みりん、砂糖を混ぜ合わせたタレを投入します。
③カツオにタレをかけながら汁気が少なくなるまで焼きます。
④照りが出たら出来上がりです。
鶏そぼろおにぎり
【材料】1人分
・ごはん…200g
・鶏むねのひき肉…100g
・にんじん…5cm(1/3本)
・卵…1個
・醤油…大さじ1
・砂糖…大さじ1と小さじ1
・酒…大さじ1
・チューブ生姜…1cm
・油…適量
【作り方】
①にんじんをみじん切りにします。
②油を熱したフライパンで、にんじんと鶏むねのひき肉を炒めます。
③ある程度火が通ったら醤油、砂糖(大さじ1)、酒、チューブ生姜を入れて、汁気がなくなるまで炒めます。
④卵をボウルに割り入れ、砂糖(小さじ1)を入れてよく混ぜます。
⑤油を熱したフライパンに溶き卵を流し入れ、かき混ぜながらそぼろを作ります。
⑥ごはんに鶏と卵のそぼろを混ぜ合わせ、2等分にし、ラップに包んで三角に握ったら出来上がりです。
食事のケアで試合に勝てる身体づくり!
サッカーの練習と同じくらい大事なのが、毎日の食事です。何を食べるのか、いつ食べるのか、どれくらい食べるのかによって、身体のコンディションが変わってきます。肉体の不調は心の不調にも繋がるので、メンタルヘルスケアという観点から見ても、食事や栄養に気を配ることはとても重要なのです。試合で思う存分力を発揮するためにも、日頃から食べ物に関心を持ち、バランスの良い食生活を心がけましょう。
えいようJoinではスポーツ分野に明るい管理栄養士が多数在籍しています。プロ選手の食事指導の依頼を受けた実績もあるので、ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。