食や栄養のスペシャリストである管理栄養士は、健康な人だけでなく特別な配慮が必要な人に対しても食事管理や栄養指導ができます。その優れた専門知識を活かし、病院や行政、研究機関など、さまざまな分野で活躍していますが、近年特に管理栄養士の需要が高まっているのが福祉業界です。今回のコラムでは、管理栄養士がなぜ福祉業界で求められ、どのように活躍しているのかにフォーカスして、その実態をご紹介します。
目次
なぜ福祉施設なのか
社会福祉施設は大きく分けて老人福祉施設、障害者支援施設、保護施設、婦人保護施設、児童福祉施設に分類されます。その中でも管理栄養士が活躍しているのは、老人福祉施設、障害者支援施設、児童福祉施設の3つです。
これらの施設では、身体の状態に合わせた食事の考案や病状改善のための栄養指導、健やかな成長を促す食事の提供などが欠かせません。したがって、このような施設にはたいてい管理栄養士が関わっています。
食や栄養に関係する資格は栄養士や調理師、フードコーディネーターなど多数ありますが、高齢者や怪我人、病人などに対してはそれぞれに特別な配慮が必要となるため、指導等ができるのは管理栄養士しかいません。
また、保育園や児童養護施設などであれば栄養士でも対応できますが、食物アレルギー保持者の増加や生活習慣病の若年化を受けて、最近では子ども達の食事内容に一層注意が払われるようになりました。
このような背景から福祉施設でのニーズが高まり、管理栄養士の活躍の場が増えているのです。
老人福祉施設
日本は言わずと知れた少子高齢社会で、日本の福祉は高齢者福祉が中心となっています。老人ホームだけでも有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームや特別養護老人ホームなどたくさんの種類があるほどです。これらの施設の数は年々増え続けています。つまり、そこで提供される食事を考案・確認できる管理栄養士が求められているのです。
高齢者は歯の本数が減ったり、筋力が低下したりと、咀嚼や嚥下の機能が落ちている方が多い傾向にあります。そのため、それぞれの咀嚼嚥下機能に合わせて食事の形態を変えなければなりません。また、利用者の中には持病を持つ方もいます。それらを踏まえて食事面から健康を支えるのも管理栄養士の仕事です。
障害者支援施設
障害者といっても、その種類や度合いはさまざまです。健常者と同じように食事を摂れる方や、咀嚼嚥下機能が低い方、箸を使うのが難しい方など、それぞれの状態に合わせた食事を考えなければいけません。食材を細かく刻んだり、ペースト状にしたりするだけでは上手く食べられない方もいるので、栄養面だけでなく調理方法についても深い知識が必要です。
また、ただ食べられれば良いというわけではなく、栄養バランスが整っていて、見た目も味も良いものが求められています。細かいところまで気を配られた食事を提供できるのは、管理栄養士ならではの強みです。医師や看護師、介護職員や障害者の家族などと連携しながら、障害者の健やかな食生活を支えています。
児童福祉施設
児童福祉施設には、乳児院や母子生活支援施設、児童自立支援施設などがありますが、ここでは保育所と児童養護施設に焦点を当てて書きます。
これらの施設では0~18歳の子ども達の成長を助けるために、栄養アセスメントに基づいて年齢や発達度合いに応じた献立を作成します。しかも小さな子どもは野菜など好き嫌いが多い傾向にあるので、残さず食べてもらえるように見た目や味を工夫しなければなりません。食材の組み合わせに関して豊富な知識を持つ管理栄養士の腕の見せ所です。
また、2005年に「食育基本法」が制定されてから、管理栄養士は食育にも積極的に取り組んでいます。幼少期に身につけた食習慣や形成された食嗜好は、大人になった後にも影響するからです。
子ども達の食に対する興味や関心を高め、食事の大切さや楽しさを知ってもらうことで、生活習慣病患者の減少や地産地消の活発化、食糧自給率の向上などが将来的に期待できます。すぐに効果が出るものではありませんが、日本を健全な国にするための一つの取り組みとして、食育とそれを推進する管理栄養士の存在は必要不可欠です。
えいようJoinが福祉の分野でできること
えいようJoinには、病院やクリニック、介護施設での勤務経験者はもちろん、漢方や薬膳に精通している者など、さまざまな背景を持つ管理栄養士が登録しています。保育園の献立作成や食物アレルギー対応に携わったり、食育に関する講演を行ったりと、確かな知識と経験を持つ実力者揃いなので、福祉分野のご依頼にも柔軟に対応することが可能です。その一例をご紹介します。
特定の人向けのレシピ開発
たとえば、高齢者への弁当宅配サービスのレシピや、栄養満点のおやつレシピなどを考案・提供することができます。その他にも介護施設などで提供する献立を複数まとめて作成することも可能です。必要に応じて栄養計算や料理写真の撮影も承ります。
高齢者向けコラム執筆・監修
年齢を重ねていくにつれ、健康を気にする人が増えていきます。そのような人向けに食にまつわる健康情報を発信する企業も多いです。そこで役立つのが管理栄養士。専門家が携わったものなら信頼性が増すうえ、Googleからの評価も高くなるので上位表示されやすくなります(SEO対策)。
保健機能食品へのコメント作成
保健機能食品には特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品の3種類があります。それぞれで許される範囲内の表現で、プロの目から見た栄養分析や機能紹介をすることが可能です。えいようJoinは薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)を始めとした法令も遵守しているので、安心してご依頼ください。
食育に関するセミナー開催
幼児、小中学生、保護者など、世代を問わず多くの人々に美味しく楽しく健康な食に関する知識を広められるよう、昨今はさまざまな場所で食育セミナーが行われています。このようなセミナーで引っ張りだこなのが管理栄養士です。えいようJoinには、セミナー講師や料理教室、メディア出演経験のある管理栄養士が多数在籍しているので、セミナーの内容に応じた最適な人材をキャスティングできます。
まとめ
食事を整えることは健やかな生活に欠かせません。身体の状態や食の嗜好が異なる人々に対して適切な食事を提供し、栄養管理や指導を行うことは、これからの日本でますます必要になるでしょう。既に高齢者福祉を中心に、福祉分野に特化した商品やサービスを提供している企業もあります。
管理栄養士はそんな企業の権威を上げたり、集客力を高めたりするのに役立ちます。実際にどのような仕事に携わっているのかは、活動の一部をご紹介している実績ページをご覧ください。
その他、食や栄養に関するご相談があれば、真摯に対応させていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちら。