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医療 管理栄養士

病院食はまずい?管理栄養士が医療現場で必要なワケ

皆さんは医療機関で管理栄養士が働いている事をご存知ですか?実は、管理栄養士がおこなっている仕事は、単純に病院食・栄養指導だけではありません。実際、病気の治療に対してどのような役割を担い、どういった仕事をしているのでしょうか。
今回は病院の管理栄養士として医療機関に携わってきた私が、その経験を生かして、病院での仕事内容についてお話していきます!

管理栄養士の役割!医療を支える栄養のエキスパート

医療機関では、患者さんに早く元気になってもらう為に医師監修の元、看護師や薬剤師、作業療法士など様々な職種が、治療に取り組んでいます。

その中で、管理栄養士は、栄養の面から治療のサポートをしており、仕事は主に「栄養サポートチーム」「栄養指導」「治療食」などがあります。実際にどのような役割で治療のサポートをしているのでしょうか。どんな仕事をするのか、具体的な例をご紹介します!

管理栄養士と栄養士の違いはこちらの記事にて紹介しております。

病棟で大活躍!様々な栄養サポートチーム

管理栄養士は、病棟でもさまざまな治療に携わり貢献しています。食事は、治療の一部で食事から治療していく方法を「食事療法」といいます。

例えば、「嚥下機能の評価」があります。嚥下障害を放置しておくと誤嚥になる可能性があるため、飲食物を飲み込む嚥下機能が低下した方の評価を行います。

誤嚥を起こすと飲食物や細菌が肺に入ってしまい、肺炎などを引き起こすので非常に危険です!食べ物の性質を理解している管理栄養士は、定期的に嚥下の評価を行い、リハビリが必要な方は専門の職種と連携して治療していきます。

他には、「NST(栄養サポートチーム)」があります。栄養状態が悪く効果的な治療が難しい方に医師や看護師など多職種とチームを組んで治療にあたるのがNSTです。

栄養状態が悪いと治療の妨げだけでなく、合併症のリスクも高まります。そのため、NSTチームで病室を訪れ、実際に状態を把握し、検査結果や飲んでいるお薬などを踏まえた総合的な評価を行います。

幅広い栄養の知識がある管理栄養士は、チームに不可欠な存在ですね。

管理栄養士は、多職種と連携して、栄養状態を改善する為の計画を立てます。病棟内でも管理栄養士は高度な医療スタッフの一員として、治療に関わり患者さんのサポートをしていることがわかりますね。

病院食は心のこもった美味しい食事のおもてなし!

病院内では食事提供をしています。病院食は、管理栄養士の力の見せ所!一人一人の疾患やアレルギー、高齢者の方には食べやすい大きさや柔らかさにして対応します。

食事の内容は毎日食べても飽きないような組み合わせや彩り、味のバランスまでを考えてメニューを決めています。入院中の方は自宅で食事をとれないので、家庭の味を意識してした味付けを心がけています。

また、入院中は自由に動けないことも多く、病室にいることが多いので、お食事を楽しみにしている患者さんが多くいらっしゃいます。

病院の管理栄養士は、季節感を感じることができる季節の旬な食材の使用や、七夕やクリスマスなどの行事を意識した食事を提供することで、より食事が楽しめる工夫をしています。

実際に患者さんからも
「食事の時間が一番好き」
「入院中なので家庭の味にほっとする」
「季節の変化や行事が楽しみ」
「美味しいご飯をありがとう」
などの声を多くいただき、管理栄養士としてやりがいを感じられる瞬間のひとつです。

食後に味のバランスや食べやすさなど感想を伺い、次に改善するよう食事内容を調節。管理栄養士は、患者さんの治療の一部として提供した栄養素を摂ってもらうために、バランスのとれた楽しくて美味しい食事を常に追求しています。

「じっくり聞ける栄養指導」と「体験できる栄養指導」

疾患を普段の食事から改善するために食事療法を目的とした指導を「栄養指導」と言います。

疾患の症状に合わせて栄養バランスのとれた食事をとれるようにアドバイス。対象者の好みやライフスタイルに合わせる為に、親身になって相談に乗り、向き合います。

栄養指導には、「個別指導」「集団指導」の2種類の方法があります。

個別指導

個別指導は、患者さんの疾患や検査結果をもとに どのように食事を心がけたらいいのか、工夫の仕方やライフスタイルに応じて、食事プランを提案する指導方法です。

お話をするなかで、食事の好みやお悩みを伺い、負担の少ない方法を一緒に考えていきます。一人一人に合わせた対応ができるのが、個別指導の魅力です。

集団指導

集団指導は、テーマに合わせた講義や料理教室を開催し自宅で手軽にできるレシピで一緒に料理を作ります。レシピは、管理栄養士がテーマに合わせて考えます。

また、同じ疾患の患者さんが集まるので、比較的参加しやすく指導を受けた方同士で交流や情報共有ができますね。

指導と言っても堅苦しいものでなく、分かりやすい説明や資料も用意してあり、和やかに話しを聞くことができますよ。

なので、集団指導に参加された方からは「資料に絵や写真があり見やすかった」「忙しいけど簡単に工夫できる方法を知れた」「話しやすく質問がしやすいので疑問が解決できた」と喜びの言葉を直接頂くことも多いです。

予防の面でも管理栄養士は活躍?!

病院の管理栄養士は、傷病者だけでなく、予防の為の生活習慣病予防教室を開催しています。

健康な人にも栄養指導を実施してメタボリックシンドロームなどを減らし、病気を予防する目的で行っています。

日本では、食生活の乱れが原因で疾患になり、悪化してしまう生活習慣病が深刻な問題になっています。生活習慣病から病気が進行すると医療費が高くなります。医療費が高くなると、その分私たちが納めた税金や国のお金が使われることになるため財政を圧迫します。

このような背景もあり、現在日本では国をあげて疾病の一次予防対策を講じています。国をあげた対策にも管理栄養士の存在はとても重要ですね。

予防の段階で管理栄養士は、対象者に向けて食生活が改善されるよう指導を行うことができるので、必要性は増すばかりです。

医療関連の実績

現在、えいようJoinでは管理栄養士の中でもさらに疾患に特化した「糖尿病療養指導士」「NST専門療法士」(2019年6月現在)を持った管理栄養士も在籍しており、様々な医療関連のお仕事に携わった実績がございます。

大腸がん術後患者向けレシピの作成
糖尿病患者向けレシピの作成

その他過去の実績はこちらにてご紹介しております。

まとめ

医療現場での管理栄養士の働きについておわかりいただけたでしょうか。

管理栄養士は、料理を作っているだけでなく、今や疾患の治療や予防に必要不可欠な存在となっています。また疾患の治療や予防だけでなく、「食事に対しての不安の解消」「食べる楽しみ」など、心のケアにも大きく関与しています。

専門知識だけでなく、おもてなしの心や日々のコミュニケーションによって、一人ひとりのニーズに応えているのです。作るだけではなく疾患の治療や予防に必要不可欠な存在です。

また、疾患の治療や予防だけでなく、「食事に対して不安の解消」「食べる楽しみ」など、心のケアにも関わっています。

管理栄養士の知識だけではなくおもてなしの心があり、コミュニケーション能力が高く、相手のニーズに答えることができるでしょう。「健康で長生きをしたい」「食事を楽しみたい」「正しい情報を知りたい」、これらは誰もが思うことではないでしょうか。

栄養管理をすることで疾患や医療費が減り、福祉や教育に力を入れることができれば、子どもから高齢者まで、誰もが豊かな生活を送ることができるでしょう。

今までの活躍からも世の中の管理栄養士のニーズは益々高まっていきますね。人それぞれ違う個々の要望に応え、疾患や予防に対して栄養管理することができるのが管理栄養士の強みです。今後、色々な形で管理栄養士の貢献が広がっていくでしょう。

食や栄養に関しての悩みごとや、管理栄養士へのお仕事の相談・依頼がございましたら、是非”えいようJoin”までお問い合わせください。経験豊富な管理栄養士をご紹介させていただきます。

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